リボンの騎士雑感1
通常バージョンを2回、なっちフランツを1回見た上での感想を書いていきたいと
思います。
ちなみに3回の座席は7列右サブセンター、16列センター、25列センターといった
感じです。
どうやって感想を書こうかなあと迷いましたが、キャスト別に書いていきたいと思います。
キャストによって感想の長短がありますが、それはご了承くださいね(笑)
それでは、以下ネタバレになるので隠します(例によって長いので要注意w)。
宝
塚
さ
ん
本
気
の
舞
台
あ
り
が
と
う
○サファイア(高橋愛)
サファイア役が愛ちゃんに決まった時、「宝塚好きだし、娘。の中では歌唱力も抜群だし、
妥当な配役かなあ」くらいにしか思っていなかったわけですが(ゴメンナサイ)。
見ると、「なるほど、これは愛ちゃんにぴったりな役だな」って納得できました。
なんていうのかなあ・・・「男と女の要素」というのであれば、それこそ娘。なら
よっちゃんが1番の適役だ思うんだけど(推しのひいき目も入ってますがw)、
サファイアの「男の子と女の子の要素」なら愛ちゃんの方がぴったりなんですよね。
りりしさとともにかわいらしさをうまく表現できているような気がします。
愛ちゃんが演じるサファイアで1番好きなシーンは、第2幕第5場「田舎」で
スカウトされるシーン(台本第2幕P.57)。
ヘケートに女の子の魂を抜かれて男の子なってしまったサファイア。
大臣に会うために、女の子の格好をしてお嫁さん探しのスカウトに近づくわけですが・・・。
このサファイアの声がね、おかまさんの声なんですよ(笑)
男の子であるサファイアが女の子を演じるわけですから、必然的にこうなるわけなんですが。
ここがね〜、うまいしおもしろい(笑)
3回見て3回とも笑わせていただきました。
あとはリボンの騎士として登場するシーンとか最後のシーンが好きなんだけど、
そこは後で語るとして。
「おっ!?」と思ったシーンをひとつあげると、第2幕第1場「監獄」で牢番ピエールと
話をするシーン(台本P.15〜17)。
女の子であることがばれて、王妃とともに王族としての位を剥奪されて牢に入れられて
しまったサファイア。
この時ピエールと「食べてもいいか」「食べるぞ」等の会話があるのですが、この時の
サファイアの話し方とか所作が「(元)王族としての気品、プライド」を感じさせるんですよ。
なんか自然に気品とプライドを感じることができて、かっこよくて、「おっ!?」と
思ってしまいました。
ただ「サファイア王女」というより「サファイア王子」という感じでしたが(爆)。
やっぱり「王子」として育てられた期間が長いからなのかなあと勝手に推測しちゃいました(笑)
○フランツ王子(石川梨華、安倍なつみ、松浦亜弥)
まだあややバージョンのフランツを見ていないので、なんとも言えませんが。
私は梨華ちゃんバージョンのフランツの方が好きですね。
まずはサファイア演じる愛ちゃんとの背のバランス。
なっちだとそこにちょっと違和感を感じちゃうんですよね。
次に歌。
歌唱力とか迫力とかの点ではなっちの方がやっぱり1枚上手です。
でも感情表現という点では私は梨華ちゃんのフランツの方が好きです。
なんていうか、梨華ちゃんの方が「王子」っぽいんですよね。
若さゆえに突っ走るところとか、悩んでいるところが「あなたに会いたい」「戦いのとき」の
歌の部分にうまく表れているんですよ。
なっちだとちょっと落ち着いてる感があるんですよね、貫禄というか。
なので、好みとして梨華ちゃんバージョンのフランツの方が好きなんです。
どっちがいいか悪いかじゃなくてね。
あ、でもなっちフランツで梨華ちゃんフランツよりも好きなシーンがあります。
それは第1幕第7場「牢獄」で王殺害の疑いを掛けられて牢獄に入れられてしまった
フランツが、彼を助けようとしたサファイアと言い争いになるシーン(台本P.89〜93)。
梨華ちゃんフランツとなっちフランツの違いが1番わかりやかったのがここなんですが。
まずは牢獄のシーンに入った時の座り方が、梨華ちゃんとなっちで違います。
梨華ちゃんの方が「荒れてる」感じがします(笑)
その後サファイアと話して、牢のドアをドン!と叩いた後の顔。
この顔がね、なっちの方が悔しさと亜麻色の髪の乙女を思うせつなさを感じることが
できたんですよね。
なっちバージョンを見たとき、せつなくて胸にグッときましたもん。
○大臣(吉澤ひとみ)
えっと・・・かっこよくて惚れちゃいそうです・・・というか惚れてます(爆)
真面目な話、顔だけじゃなくて立ち振る舞いがクールでかっこいいんですよ。
だから悪役の大臣がよく栄えます。
大臣のシーンで好きなシーンは全部なんですけど(爆)、最後のシーン以外であげるとしたら、
やはり第1幕第8場「夜の暗闇」で大臣が魔女ヘケートと出会うシーン(台本P.99〜105)
「大臣の願い」では息子を王にさせるための苦悩や葛藤が、「魔女」の部分では
小瓶を手にして決意を新たにする感じがよく表現されています。
そして最後ヘケートの元に駆け寄って跪くところは、完全に「男(大臣)と女(魔女)」に
なってます(笑)
あまりにも絵になりすぎていて、ため息が出そうです。
この場面は歌もいいんですよね。
大臣と魔女の掛け合いの部分はかっこいいし、なによりよっちゃんの高音がきれい。
ホントよっちゃんは成長したなあと感じて、うれしくなりました。
大臣といえばナイロンと息子の3人のシーンも見所ですが、これは後で書きます。
○魔女ヘケート(藤本美貴)
今回のキャストで誰が1番はまり役かと言えば、みきてぃでしょうね。
出番が少ないのにもかかわらず圧倒的な存在感。
それがみきてぃ演じるヘケートです。
セリフよりも歌うシーンが多いのですが、この歌がいいんですよ。
さきにあげた「魔女」も好きなんですが、第2幕第4場「嵐」での「魔女2」(台本P.46〜50)や
第2幕第6場「宮殿」での「決闘」(台本P.66〜68)のヘケートの歌が、こう・・・せつなさが
こみ上げてくるんですよね。
悪役のはずの魔女なのににくめない。
それどころか、「ヘケートも幸せになって!」とまで思ってしまった私です。
○牢番ピエール(石川梨華、辻希美、三好絵梨香)
牢番ピエールは通常バージョンのみーよとなっちフランツの時の梨華ちゃんを見ました。
どっちが好みかといえば、みーよのピエールの方が好きです。
こういう言い方すると申し訳ないんだけど、ピエールの境遇がみーよの雰囲気と
マッチしてるというか(爆)
梨華ちゃんのピエールはすさんでいても、どこか上品な感じもするんですよね。
その点、みーよのピエールとかゆいやんのコリンは役柄と雰囲気が合ってます。
でも牢番役は2人の時よりも3人の時の方が好きという、ちょっと矛盾した感じだったり(爆)
セリフとか歌も3人の方がバランスがいいような感じがします。
実は1回目に見たとき、1番最初に泣けたシーンが第2幕第1場「監獄」の部分。
ピエールがサファイアと王妃を逃すために仲間のコリンに短剣を向けるんですが、
コリンが「自分たちは仲間だろ」と諭すシーン(台本P.20〜23)。
なんだろね、なんかこのシーンを通して絆みたいなのを感じたからかな?
「うわぁ〜、仲間っていいなあ〜」と思って、勝手にこみ上げてきてしまいました(照)
○大臣の息子(久住小春)&家臣ナイロン(小川麻琴)
よっちゃん演じる大臣との組み合わせて出てくることが多い2人。
娘。における3人の関係性がそのまま劇中にも表れていて、いいアクセントになってます。
とにかくこの3人のシーンはね・・・コントです(爆)
特に大臣とナイロンの掛け合いはこの2人にしか出せない味だろうなあ。
悪役のはずの大臣がどこかにくめない人になってしまうのは、ナイロンや息子のおかげでしょうね。
一見頭がいいように見える大臣なのに、この2人が絡むと「親○カ」に見えるんだもん(笑)
とにかく大臣の息子溺愛っぷりはすばらしい(笑)
直接的な自慢はもちろん、危ない場面になるとさりげなく息子を守るところなんか
親バ○と言わずしてなんなのかわかりません(笑)
○王/神さま(箙かおる)
出てきただけで圧倒的な存在感があります。
パッと場の空気を変える存在感と歌。
さすが宝塚の方です。
私が好きなシーンは第2幕第7場「エピローグ」の部分(台本P.83〜86)。
ここは次の「レビュー」部分へのつなぎもかねていて、箙さんが一人で歌うシーンなんですが。
この歌がね・・・心に染みて泣けてくるんですよ。
歌のうまさ、迫力はもちろんなんですが、たくましさや温かさも感じられるんですよね。
ホント心にスーっとしみこんでくるんです。
「すごい」の一言です。
またその後の「フィナーレ(=レビュー)」部分への振りがおもしろいんですよね。
ここは神さまというより、「体操のお兄さん(おじさん?)」的なおもしろさ(笑)
今まで圧倒的な存在感を示していただけに、この部分の笑顔とのギャップがなんとも
いえませんでした(笑)
○王妃(マルシア)
気品と狂気を見せてくれたのがマルシアさん演じる王妃です。
「気品」の部分で好きなシーンは第1幕第2場「宮殿の奥庭」でサファイアに花言葉を
教えるシーン(台本P.26〜29)。
ここの愛ちゃんとマルシアさんは本当に親子のような感じで、かわいらしくて、やさしくて、
どこかホッとするんですよね。
見ていて微笑ましいシーンです。
逆に「狂気」の部分ですごいと思ったのは第1幕第10場「宮殿」で大臣に薬を飲まされ、
サファイアは女の子と告白してしまうシーン(台本P.120〜123)。
ここのマルシアさんは、どこかネジが1本飛んでしまったかのように狂います(爆)
今までが「やさしくて気品のある王妃」だっただけに、ここのキレっぷりがすごく
印象に残るんですよね。
サファイアを男の子として育て続けてきた苦悩が、この叫びのような歌によく表れていると
思います。
このシーンでは王妃以外のキャストの細かい表情も見所かなあと思います。
まずはサファイア。
王妃がいきなり狂ってしまって、自分が女の子であることまでバラされ。
さっきまで王としての威厳を保っていたのが、段々女の子としての顔になっていくんですよね。
お母様に対する心配、これからの自分自身に対する心配、いろいろな心配が表情に
うまく表れてるなあと思います。
あとは大臣。
サファイアの秘密をバラしてしてやったりの表情がめっちゃ悪っぽくて好きなんですが、
その前の薬でフラフラになった王妃を支えるシーンが「おぉ!?」と思いました。
倒れかかった王妃を肩で支えるのですが、この時ぐらつかないんですよね。
マルシアさんの体重の掛け方がうまいというのもあるんですが、それだけじゃないと
思うんですよね。
このぐらつかないよっちゃんに、男役としてのかっこよさとうまさを感じました。
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ここまで書いて予想以上に長くなってしまったので、残りのキャスト&最後のシーンに
ついてはまた後日書きたいと思います。
そのころにはののピエールとあややフランツも見終わってることだし、ちょうどいいか(爆)